コノメールハ死ノメールデス。
コレヲイッシュウカンイナイニ5ニンノヒトニマワシテクダサイ。
ソウシナイト・・・。
あと九十九本・・・最後
こんなメールが回ってきたのは昨日のこと。
差出人は不明。 どうせ今はやりのチェーンメールだと思ってその場ですぐに消してしまった。
こんなものはすぐに消してしまうのに限る。
「ったく、ウザいんだよこういうの。」
そうぶつぶつ呟いていると。
「どうしたんすか? 桃先輩。 さっきからなんかぶつぶつ呟いてるっすけど。」
そう声をかけてきたのはリョーマ。
「ああ、越前か。 いやあな、ちょっとウザいチェンメが回ってきたもんで今消してたんだよ。」
「ふーん。 で、そのメール、一体どんな内容だったんすか?」
「今時ありきたりな内容だったぜ。 一週間以内に回さないとなんか起こるみたいな感じのやつ。」
桃城がそう言うと、リョーマは少しなにか考えてるような仕草をした。
そして、こう言った。
「先輩、そういうメール、少し用心したほうがいいっすよ。
時々『本物』が混じってるって聞いたことがありますから。」
その時はリョーマのその言葉をそんなに真剣に考えたりしなかた。
リョーマがそう言ってすぐ、桃城は手塚に呼ばれてその場を急いで去って行ってしまった。
そして、この会話のことは彼の頭からすぐに消滅してしまった・・・。
★
次の日、昨日と同じくらいの、部活の終わった時間に携帯を見たらメールがきていた。
「誰からだ?」
そう思いながらメールボックスを開くと・・・。
『アト、6ニチ・・・。』
「なんだよ。 またチェンメか? しかもまた差出人不明だし。
昨日の奴か? 暇な奴もいるもんだな。」
桃城はそう言いながら、またさして深く考えずにのメールを消してしまった。
★
それからというもの、毎日毎日同じ時間にメールが届いていた。
毎日届くとさすがに気味悪くなったのだが、それでも桃城はメールを消し続けた。
そして、メールが来始めてからちょうど一週間がたった・・・。
「っち、また今日も来てやがったのかよ。」
そう言いながら、桃城は携帯を開いた。
するとそのメールには・・・。
『キョウデイッシュウカン。 コレデサイゴ・・・。』
と、いつもとは違った内容の文が。
これにはさすがの桃城も軽い恐怖を感じた。 だが・・・。
「こんなもの消しちまえ。」
またもや彼はメールを消した。
するとその時、リョーマが桃城の元へとやってきた。
「桃先輩、そういえばこの前言ってたメール、もう来てないですよね?」
「あ、ああ。 来てないぜ。 それがどうしたんだ?」
桃城はとっさに嘘をついた。
するとリョーマはほっとした顔をして、語り始めた。
「よかった。 ああいうメールですけどね、ホントに本物が最近出回ってるんですって。
内容は桃先輩のトコに来たのとまったく同じ。 で、偽者はそこで消してももう何も起こらないんです。
でも、本物だと、それから毎日メールが届くんです。 カウントダウンのメールが。
そのメールが最後の日を告げると、その日のうちにメールを受け取り続けた人は、消えてしまうんですって。」
その話に、桃城の顔はだんだん青ざめていった。
そして、軽く震えた声で、彼は尋ねた。
「・・・その消えた人ってのは一体どこに行ったんだ?」
「さあ。 でも、聞いた話によると死神に連れ去られたとか。
でも、メールが来てないんなら何の問題もありませんよ。
あっ、そういえば俺もう帰らないといけなかったっけ。 じゃあ先輩、お先に。」
リョーマはそう言うと、その場を去って行ってしまった。
桃城はあとを追おうとしたが、足がその場に張り付いたようになっていて、一歩も動くことができなかった・・・。
★
その後、部活が完全に終わったのは周りがだいぶ暗くなってきてからだった。
桃城は、途中までは他の先輩達と一緒だったのだが、1人方向が違ったため、暗い道を歩いていた。
その間も、彼は周りにかなり注意を払いながら歩いていた。
(ったく、越前のおかげでこんなことに。 まあ、とっとと帰るしかないな。)
そう思い、家路につく足を急がせようとしたその時!
がしっ!
急に何者かに肩をつかまれた。
その瞬間、彼は背筋が凍るような感覚に襲われた。
「ひっ!!」
恐怖に襲われながらも自分の肩をつかんだ者を見ると―――――――-。
『ただのいたずらメールだと侮ってはいけない。 それがもしかしたら自分を破滅させるものなのかもしれないのだから。
あなたの所にも、こんな内容のメールが届いてはいませんか?
もしも来ていて、さらに消してしまっていたのなら要注意。
死神が手をこまねいて待っているかもしれないから・・・。』
【あとがき】
早々に2本目です。
今回の犠牲者は桃ちゃん。 何故彼なのか? ・・・単なる思いつきです。
今回の話はどうでしたでしょうか?
一応これは瑠璃が書きながら考えたものですんで、本当にこんなことがあるのかは知りません。
何かの実際に起きたことをモデルにしたわけじゃないので、不安になった方、どうぞご安心ください。
(んな人いねーよ。)
05.7.7
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