こんな話があったんだって。 知ってる?

知らない。 教えてよ。 興味がある。





あと九十七本・・・怪談





『怪談』

それは日本古来より伝わる恐ろしい話のこと。

種類は様々。

誰もが知っている話もあれば、地方に細々と伝わる話もある。

そして今から語るのは、誰も知らない、『怪談』にまつわるお話・・・。



                                           ★



「皆ーー!! ちゃんと持ってきたかーい?!」





「「持ってきたぜーー!!」」





ここは六角。 そして今は夏休み。

ついでに今日は、オジイの家にお泊り。

勝手知ったる他人の家。 オジイの家にはもう何回も行っているので、皆遠慮なし。

そして、わいわいと騒いでいるうちに夜になった。

夕飯を食べ終わったあと、夏恒例の催し物が始まった。

それは・・・怪談百物語・・・。



                                           ★



「・・・で、その人を見た人は誰もいなかったんだって・・・。」





「こええ。 その話。

 ってかサエさん。 語るの上手いね・・・。」





「ありがとう。」





怪談百物語。 これは六角で毎年の夏恒例の行事だった。

だが、1夜で百話なんて語れるはずはない。

なので、1年で10話〜20話ずつ語ることになっていた。

そして、今、佐伯が語ったのは・・・九十八話。





「これであと2話だね。 ところで次は誰が話すの?」





健太郎が尋ねる。 すると・・・。





「わしが・・・語ろうかね。」





そう言ったのはオジイ。 それに皆は大賛成。

何年生きているのか分からないオジイの話だ。

きっとものすごく怖い違いない。 そしてオジイは語りだした・・・。





「・・・これは・・・実際にあった話・・・。」



                                           ★



ある所に怖い話が大好きな人達がいました。

彼らはある夏、百物語をやろうと言い出しました。

それに全員賛成し、1人の家でやることが決まりました。

そして、当日。

メンバーは全員集まり、語りだした・・・。



                                           ★



・・・どれくらい語ったのだろう?

そう思い、蝋燭を見ると、いつに間にか残りはあと1本。





「次で最後だね・・・。」





1人がそう言うを、メンバーは全員頷いた。

そして、その人は語り始めた・・・。



                                           ★



最後の人の話が終わった。

その話は、誰も知らなかったが、語り手が大して上手くなかったため、あまり盛り上がりはしなかった。

しかし、全員は話そのものをには最初から大して興味を持っていない。

興味があったのは、話を全てし終わったあと。

これは誰もが知っている勇名な話だろう。

百物語をすべて終えたあとには何かが起こる・・・。

ここに集まったメンバーはそれを楽しみにしていたのだ。

だが・・・。





「・・・ねえ、何にも起こらないよ。」





「そうだね。 やっぱダメかあ。

 所詮、怖いのが好きでこんなことをやっても、本当の恐怖は味わえない。

 ああ、僕はただ本当の恐怖を味わいたいだけなのに・・・。」





そう、1人の男が言った。

全員の間にあきらめのような空気が流れた。

と、その時!!





バンバンバンッ!!!





突然窓を激しく叩く音が!

その音に全員はその場に氷ついた。

しかし、しばらくすると音は消え、静寂が訪れた。





「・・・びっくりしたあ。 今の何?!」





「分からない。 でも、あれが怪談を語り終わったあとに現れる『何か』だったのかもね・・・。」





そう話していた次の瞬間!!





「きゃああああああ!!!!!」





少し後ろで話を聞いていた女が、急に叫んだ。

その声に驚き、後ろを振り返ると・・・。





「・・・その次の日、百物語には参加しなかった別の友人が様子を見にいくと、そこには首のない死体が転がっていた・・・。

 ・・・と、こんな話だよ。 どうだった?」





オジイの話は終わった。

しかし、皆の顔は青ざめていて、口を開くものはいなかった。





「・・・こ、怖かった・・・。」





そう呟いたのは健太郎。

この話で本当に怖くなった皆は、これ以上は話すのをやめようということで、布団に入った。

しかし、皆はなかなか眠れず、布団の中でごろごろとしていた。

だが、夜も深くなるとやっとうとうとしてきた。

と、その時・・・。





ひた、ひた。





廊下を歩く音が。

その音に、全員は凍りついたが、その足音はそのまま去っていた。

そして、次の日。

全員は起きるなり、オジイに詰め寄った。

すると、オジイは、ゆっくりと語りだした。





『怪談百物語はすべて語ったあとに何か起こるもんだと思われてるけど、実はそうじゃないんだよ。

 すべて語らなくても怪現象は起こる。

 昨日、もしあのまま百話目を語っていたら、皆はきっと今ごろあの世逝きだったねえ。

 わしが九十九話にあの話をしたのは百話目を語らせないためじゃよ。

 たぶん気付いてなかったと思うけど、昨日の夜、あの部屋には霊がきていたんだよ。

 まあ、このことを知っていてやったわしもわしじゃがのう。

 ふぉっふぉっふぉ。』









【あとがき】

・・・久しぶりの更新なんですが、なんじゃこりゃ。

まあたよくわからん話になってしまいました。

しかも、オジイが妙に饒舌だ・・・。

こんなしゃべるキャラでいいのか?

そういえば今回は誰も消えなかったなあ。

次は誰か消そうかな?(えっ?!)



05.8.25



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