灰色の天使





「はあっ、はあっ。」





月の光に照らされる中、1つの影が空を舞う。 その呼吸は荒い。

わき腹に添えられている左手。 その指の隙間からは、真紅の血が零れ落ちている。

がはっと咳き込むと、口からも紅。 強引に口元を、右手の袖で拭う。





「くそ。 さすがに回復する必要があるな。 このままじゃもたねえ。 あいつらの言うこと、ちゃんと聞いときゃよかったな。

 ・・・ちっ。 やっぱ追ってきやがったか。 壊滅はしても、全滅したってわけじゃあねーからな。

 しつこい奴等だ。 しょうがねえ、相手になってやるぜ!」





そう怒鳴りながら、右手で腰にさしてあった剣を引き抜く。

そのまま後ろを振り返ると、そこにはいくつもの影。 それらに向かい、影は空を舞った―――。



                                            ☆



「・・・この気配は・・・?」





空を見ながら呟くのは手塚。 彼は今、ノクターンの一室を借り、療養している最中だった。

本当はもうほとんど治癒しているのだが、まだいろという幸村の好意に甘えることにした。

自分にはもう帰る場所も仲間もいないと思っていた手塚には、とても嬉しいことだった。

だが、そう思っていたのは手塚だけのようだった。

手塚が暴走した事件の後、幸村に頼まれて封印を見張っていた双子の妖。 淳と亮が彼の元にやって来て言ったのだ。





「あんたは知らなかったかもしれないけど、俺達はディグレストにかつて住んでいた妖の種族の1つだよ。

 俺達の仲間も、妖狐達と似ているからって何者かに狩られて滅んだ。

 生き残ったのは俺達2人だけ。 だから一緒なんだ。 あんたと俺達は。

 種族は違うけど、確かに同じ境遇なんだ。 お互い、支えあっていけるといいな。」





この言葉を聞いた時、手塚の目から一筋の涙が伝い落ちた。

今までずっと1人だと思っていた彼には、この言葉は何よりも嬉しかった。 彼は、1人ではなかった―――。

・・・こうして今に至る。 手塚はノクターンのメンバーではないため、仕事には行かない。

しかし時々はその力を貸していた。 そして今日、彼は何者かの気配を感じ取った。





「幸村、入るぞ。」





扉を軽くノックし、いいよという声を聞いてから部屋の扉を開けた。

中には、何か書き物をする幸村の姿。 手塚は、促されるままにソファに座った。





「一体どうしたんだい?」





穏やかに微笑みながら、幸村は問う。





「やはり気付いていなかったか。 最近のお前は疲れすぎている。 少しは休め。

 ・・・集中して探ってみろ。 気配がする。」





手塚にそう言われ、幸村は軽く目を閉じる。

そして、少し経つとはっと目を開いた。 それは、驚きの色を浮かばせている。





「これは、まさか! くそっ。 確かに手塚、お前の言う通りだ。 かなり疲れてるようだな。

 だけど、今休むわけには余計いかなくなった。」





そう言うと幸村は椅子から立ち上がり、部屋の入口へと向かう。

その背中に、手塚は問いかけた。





「・・・この気配の主は一体お前達の何なんだ?」





「・・・俺達の、仲間だよ。」





手塚のその問いかけにそう答えると、幸村は部屋を出て行った。

1人残された手塚は、自分も詳しいことを聞きにいこうとソファから立ち上がる。

しかし1度振り返り、部屋の中の大窓から外を眺め呟く。





「・・・あの都市にまた、何かあったのか・・・?」





その呟きは、誰に聞かれることもなく闇の中に消え去っていった―――。



                                              ☆



「一体どうしたんじゃ? こんな急に俺等を集めて。」





そう、皆を代表して言ったのは仁王。 店の中心にある、リビングのような場所にメンバーは全員集まっていた。

ちなみに今日は仕事が一切入っていなかったため、全員いるのだ。 そして手塚も、部屋まで既に来ていた。

彼等の顔を見渡して、幸村は口を開く。





「皆に今から行って来て欲しい場所がある。 と言っても全員ではないけどね。

 『毒霧の湿原』という場所を知っているかい? そこに、今から向かって欲しいんだ。」





幸村のその言葉に、訝しげな顔をする面々。 それもそうだろう。

毒霧の湿原といえば、汚染された地として有名な場所だった。

浄化されることのない汚れた水が溜まったそこでは、有害な物質が常に空気中に漂っている。

そこに行くというのは、かなり危険な行為だった。





「何故、そこに向かうのですか?」





柳生の問いに、幸村は全員の顔を見渡す。

その中で赤也の顔だけは、あまり見ることが出来なかった。





「・・・そこに今、ある人物がいる。 彼を、助けて欲しいんだ。

 彼は今、そこで敵と戦っている。 早く行って助けなければ、手遅れになってしまう。」





こういうと、今度はブン太がそれって誰だよ?と、当然の質問を返す。

幸村は1度目を伏せたかと思うと、今度は赤也の目をまっすぐに見て言った。





「・・・その人物は、赤也が1番よく知っているよ。 彼の名は『ジャッカル桑原』。

 魔族都市『デル・ストライト』の幹部にして、赤也のお守り役だった人物。

 そして、今は滅びた天使族の血を引く最後の1人―――。」





幸村の言葉に、全員は言葉を失った。 しかし1番驚いていたのは、やはり赤也だった。 彼は呟く。





「あの人が、何で・・・?」





その問いに答えられる者はいない。

その場にはただ、重苦しい空気が漂っていた・・・。



                                                 ☆



「ったく、しつこい奴等だ。」





そう呟きながらも、体を動かすことは止めない。 風を切って宙を舞い、剣を振る。

そうして幾人もの敵を相手に戦っているのだが、いかんせん不利すぎる。 そのため、苦戦を強いられていた。





「ちっ。 中々傷が塞がらねえ。」





脇腹に添えた左手。 その掌からは、微かな光が。

この戦いの最中、さすがにヤバイと思った彼は傷を塞ぐため少し前からそこに力を集めていた。

しかしこの状況で集中することが出来るはずもなく、傷は中々塞がらなかった。





『あいつの傍にいてやってくれ。』





不意に頭の中に、記憶が甦る。 それはもう遠く昔のように感じる。

しかしそうではなく、少し前に自分にかけられた言葉。

浮かび上がるのは、闇の中でも色あせることのなかった赤。

赤い海の中に沈み、自分の最後が近いと分かってていても、あの人は彼の心配をしていた。

自分が傍にいてやれないから。 もう、彼を守ってあげることは出来ないから。

だから、傍にいて守ってくれと自分に託した。





「・・・ここでくたばるわけにはいかねーな。」





そう呟き、彼の目は敵を真っ直ぐに捉える。 その強さに、相手も少したじろぐ。

少しだけ出来た隙を逃さず、彼は間合いを詰める。 形勢は少しだが彼に傾く。

しかし、彼は気付いていない。 彼のいるこの地が、破滅をもたらす所だということに・・・。



                                             ☆



「のう幸村、そのジャッカルって奴。 一体どんな奴なんじゃ?」





そう問いかけるのは仁王。 彼は今、真の姿に戻って荒野を駆け抜けていた。

彼だけではない。 共にいるのは、幸村・手塚・真田と仁王の4人。

真田は漆黒の羽で空を駆け、手塚と仁王はそれぞれ真の姿に戻って地を駆け抜けていた。

そして幸村は1人、手塚の背に乗ってた。





「それは俺も気になるな。 赤也と何か関係があるということもな。

 あんな取り乱した赤也、今まで見たことがない。」





先ほどの光景を思い出して、真田がそう言う。 彼の言う通りだった。

幸村の口からジャッカルの名が出、命が危ないと告げられると、赤也が豹変した。

今まで落ち着いていた表情が一気に崩れ、両手で頭を抱え込んだ。

そして首をいやいやと何度も振り、床に崩れるように膝を付いた。 しかし次の瞬間、いきなり立ち上がり外へと走り出そうとした。

そこでさすがに真田達に抑えられたが、それでもまだ行こうとしていた。 

今は蓮二達によって取り押さえられ、店に留守番という形で残っている。





「・・・赤也が店に来たのが2年前。 その時、皆には何も説明しなかったからね。

 ・・・まず、赤也の出身地について話そうかな。 赤也がいたのは、魔族都市『デル・ストライト』。

 だけどそれには驚かないだろうね。 悪魔の血を引いてるのなら、自然と出身地はそこだけになるし。

 でも、その時疑問に思わなかったかい? 赤也が『半』悪魔だってことに。

 彼は純血の悪魔じゃあない。 そうすると、彼に流れている半分の血は一体何か?」





「・・・人間か。」





「そう。 赤也に流れている半分の血は、人間のものだよ。 彼の母親が人だった。 そして父親は魔族の指導者。

 血統的には少々問題があるけれど、赤也は魔族を継ぐ正統な後継者なんだ。」





「だったら、何故店に来たんだ? 余計に都市から出さないべきじゃないのか?」





真田のその言葉に、幸村の顔が曇る。





「・・・今から5年前、赤也を正統なる後継者として認めないとして闘争が起きたんだ。

 その当時は言論のみだったんだけどね。 だけど2年前、状況が悪化した。

 業を煮やした反対派が戦争を起こそうとしていたんだ。 それに気付いた彼の父親は、1番に赤也の身を案じた。

 そして、俺の所に預けたんだ。 ノクターンなら、奴等も簡単には手を出せないと踏んでね。

 その後は俺も連絡を取ることはしていなかったんだけど・・・。」





「そうだったんか・・・。 まさか赤也にそんな秘密があったとは、知らんかった。

 そんで、ジャッカルって奴は一体なんなんじゃ?」





「ジャッカルは赤也を俺の所に連れて来た男だよ。 赤也の父親の右腕で、魔族の中でも幹部。

 その実力も確かで、かなり強い。 ああ、聞きたいことは分かるよ。

 さっき俺が言っていた『天使族の血を引く最後の1人』の意味だろ?

 あれはそのままの意味だよ。 天使族は魔族とかつて共存していた一族だった。

 だけど今から800年ほど前、内乱で滅んだって俺は聞いてる。 あまり詳しいことまでは知らないけどね。

 ジャッカルは、唯一の悪魔と天使のハーフだよ。 内乱当時、魔族に匿われて唯一生き残ることが出来たらしい。

 だから『最後の1人』なんだ。

 その後、その実力を買われて魔族の幹部クラスにまでなり、赤也の父親からの信頼も得てお守役にまでなった。

 俺が知っているのはこのくらいかな。 人の過去は、あまり聞くものではないからね。」





そう言って幸村は口をとじた。 彼の話に、手塚以外は驚きを隠せなかった。

まず赤也の正体の時点でかなり驚愕していた。 その中で手塚だけは冷静だったが。





「大体のことは分かった。 だが、そのジャッカルが何故都市から離れているのだ?

 幹部ならば、離れるべきではないだろう? それに命を落とすかもしれないということなど・・・。」





「その理由は俺にも分からない。 多分、何かあったんだと思う。

 とにかく今は、彼を店に生きて連れて帰ることだけを考えよう。」





その言葉に、全員は頷く。 そうこうしているうちに、目的の場所が見えてきた。

立ち込める霧に、全員顔をしかめる。 それは強烈な毒素を放つ。

その時だった。 争う音が全員の耳に飛び込んだ―――。



                                                 ☆



「! やべっ・・・!」





少しだけ形勢が有利になってきたときだった。 ジャッカルの体がぐらりとよろけた。

その隙を突いて、敵は激しい攻撃を繰り出す。 あっという間に、防戦一方になる。





「くっそ。 もっと場所をよく考えるんだったぜ。

 この地は俺にとっちゃあかなりヤバイ場所だった。」





後悔するが、今更遅い。 動きの鈍くなった彼に向かって、敵の剣が振り下ろされる。

やられると思ったその時!





ヒュンッ





という風を切る音が僅かに聞こえた。 その瞬間。





「ぐわあああああ!!」





剣を持っていた敵の手が、付け根から消滅していた。 それを見て、見方が来てくれたと安堵した彼の体が、ゆっくりと傾く。

倒れそうになったその体をしっかりと支えたのは、たった今この場に着いた幸村だった。





「大丈夫か? ジャッカル。」





幸村はそう、腕に抱えた男に問いかける。

それに背から灰色の翼を生やした男、ジャッカルは答える。





「大丈夫そうに見えるか? ・・・悪い、マジで助かったわ。」





その言葉に、思っていたよりも大丈夫そうだな。 と、幸村は安堵の息をつく。

この間にも、他の3人は敵と対峙していた。

彼等の前にいたのは、数人の漆黒の翼を生やした者達。 しかし、その形は人間のようで人間ではない。

異形のその姿で、一目で純血の悪魔ということが分かった。





「同じ仲間同士で戦うなんて、ありえんことだな。

 まあいい、敵は全て滅するのみだ。」





そう言って真田はマントの中からスラリと日本刀を引き抜く。

仁王と手塚は半人間の状態に戻り、同じく構える。 ほんの少しの間、張り詰めた空気が流れる。

先に動いたのは真田達だった。 軽やかな動きで敵を翻弄する。 手塚と仁王も、同じように相手を翻弄いていく。

そして真田の刀から風が飛び、手塚から炎が放たれ、仁王から雷が迸ったその後、敵の姿は影も形もなくなっていた―――。



                                               ☆



「ジャッカル先輩!!」





店に入った途端、思いっきり飛び掛られた。 それに危うくバランスを崩しそうになりながらも、なんとか堪える。

さっき幸村に塞いでもらった傷が少々痛むが、それはあえて気にしないことにする。

自分にしがみつく姿は、2年前と何にも変わっていなかった。 それに安堵していると、自分に向いている視線に気付いた。





「ああそうだった。 俺は『ジャッカル桑原』。 多分幸村から大体は聞いただろうから、ここは省くぞ。

 ・・・俺がここに来たのにはわけがあってな。 赤也、お前に言わなきゃいけないことがある。」





ジャッカルのその言葉に、赤也が顔を上げる。 彼の真っ直ぐな目に、心が痛む。

これから彼を傷つけなくてはいけないことに・・・。





「・・・よーく聞けよ。 俺が今から言うことは本当のことだからな。

 赤也、お前の親父が・・・死んだ。」





ジャッカルの言ったことはあまりにも衝撃的だった。 その言葉に、赤也の時が止まる。





「・・・どういう・・・ことっすか・・・?」





か細い声で、そう問う。 彼の体は微かに震えていた。





「・・・そのままの意味だ、赤也。 俺が都市を離れてここまで来たのは、お前を守るためだ。

 親父さんが俺に言った遺言だ。 『赤也を守ってくれ。』 それを果たすために俺は仲間から離れて来た。

 それと、お前にも遺言だ。 『自分の思った道を進め。 お前は私の自慢の息子だった。』・・・。」





ジャッカルがそう言った途端、赤也はその場に泣き崩れた。

彼の慟哭は、しばらく止むことはなかった―――。



                                                 ☆



「・・・どうだ? 落ち着いたか?」





あれからしばらくの間泣き続けた赤也は、つかれたのかいつの間にかソファの上で眠ってしまった。

その彼の横についてやり、見守っていたジャッカルは蓮二の声で我に返った。





「ああ。 もうぐっすり寝てる。 ところで、今日は本当に助かった。 あのままだと確実にやられていた。

 あそこが毒霧の湿原だってことを忘れててな。 あの霧は俺にはヤバイんだ。 あやうく死にかけた。

 ・・・それで、一体何が聞きたいんだ?」





彼のその言葉に、全員が質問をぶつけてくる。

それをあらかた全部聞き終わってから、ジャッカルは口を開いた。





「・・・2年前、赤也を幸村の所に連れてってすぐ内乱が勃発した。 俺も参加したんだが、鎮圧するのが大変だったぜ。

 それでつい先日前jになる。 赤也の親父が反対派の頭を潰した。 それで全ては終わるはずだった。

 だが、それからしばらく経った時、親父さんは瀕死の状態で発見された。

 一目で助からないって確信したよ。 それほど傷は深かった。 親父さんはそこで俺と赤也にさっき言った言葉を残して、死んだ。

 俺は赤也を守らなくちゃいけない。 だから都市のことをほとんど他の仲間に託してここに来た。

 ・・・頼む、この店のメンバーに俺を加えてくれ。 赤也を都市に連れ帰ることは出来ねえ。

 ここが1番安全なんだ。 だから、頼むっ!」





そう必死に言うジャッカル。 それに全員は幸村のほうを向く。 ここのオーナーは彼。

彼の言ったことがここでは絶対だ。 幸村は、穏やかに微笑んで言った。





「いいよ。 元々俺は君をメンバーに誘うつもりだったんだ。 2年前のあの時にね。

 俺達の仲間として、正式に迎え入れよう。 だけど、これだけは覚えていてくれ。

 俺達は仲間だ。 1人で全て背負い込むことは許さない。 ・・・俺達を頼ってくれ。 そのための仲間なんだから。」





彼のその言葉に、ジャッカルは少し下を向きながらああ。と言う。

ノクターンに、新たな仲間が加わった瞬間だった―――。



                                                ☆



それから少し経ち、ジャッカルが店にも慣れてきた時だった。 幸村は密かにジャッカルを呼び出した。

彼に言われるままに、空を駆ける2人。 天使の血が濃いために、羽毛の生えた翼を持つジャッカル。

しかし悪魔の血も混ざっているために完全な白にはならずに、灰色となっている。

それをはためかせて、幸村のあとをついていく。 そして着いた先には・・・。





「そんなっ! まさかこんなことが・・・。」





目に入った光景に、驚きを隠せないジャッカル。 それもそうだろう。

岩に寄りかかってぐったりとし、もう動くことの無い体。 変わり果てた姿をした人物を、ジャッカルは知っていた。





「何であんたがこんなトコでくたばってるんだ? 南次郎さん・・・。」





岩を背に事切れていたのは、純血の悪魔で赤也の父親が最も信頼していた人物の1人である越前南次郎だった。

彼がここにいるということを何者かが幸村に知らせてきたため、来ることが出来たという。

彼の死に、ジャッカルはただ驚くことしか出来なかった。

魔族の中でも1.2を争うほど強かった彼。 その彼が死んでる。 それは、ありえない事態だった。

そして悲しみにくれていたその時だった。 幸村が地面に書かれた何かを発見した。





「これは・・・。 間違いない。 南次郎さんの字だ。 何々。

 『罪を犯しは混じりを蔑む闇の幼子』。 ・・・一体どういうことだ?」





言葉の意味が分からず、困惑する2人。 しかしこのまま考えていても分からないと、結論付ける。

そして、南次郎をきちんと埋葬すると2人は店へと戻るため再び空を駆ける。





「・・・このこと、赤也には言わないほうがいいよな?」





「ああ、言わないほうが懸命だ。 ただでさえ父親の死で苦しんでるんだ。

 その上また知り合いが死んだともなると、赤也のストレスは半端ない。 へたすると壊れる可能性もある。

 しばらくはそっとしておこう。」





「ああ、分かった。 そうしとく。」





そう言いながら、ジャッカルはふっと空を見上げた。

そこには雲1つなく、綺麗な星空が広がっていた。





(あの人が最後にこんな天気にしたのかな・・・?)





そう思いながらも、空を駆ける。

彼等はまだ知らない。 これからの運命を―――。









【あとがき】

ジャッカルー!! ジャッカル初登場です!

アンケで彼は妖のほうがいいというご意見が多数だったため、このような感じになりました。

いかがでいたでしょうか? 多分、意外だったと思います。 ジャッカルの正体。

でも私としては上手くハーフを使えてよかったかな、と。

ジャッカルはまた謎の多いってか、かなり重要なポジションにいたりします。

ちなみに結構即興で作ったわりには、完成度が高めだったり。

さあ、また新たに謎が増えました。 果たして、分かるのはいつ?!(早く書け!)。



07.8.4



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