何で俺達ばっか、かなりの不幸続きなんだ?





輝きを失った石  第二章・6





時は少しさかのぼり、天根が何者かに襲われた時、手塚達は書庫にいた。

その中で4人は何かこの館に関する資料はないかと探していた。





「どう? 何かあった?」





本棚をあさる手を休めないで不二が聞いた。





「けほっ、けほ。 いや、何もないっす。 普通の本ばっか。」





リョーマは埃にむせながらそう答えた。 この部屋の埃は相当ひどかった。

本を出すたびに舞い上がるほどである。

本のためなのか、ここには大きな窓がなく明かり取りようの小窓がいくつかしかなかった。

その中を、4人は調べていた。





「これだけ本があるとかなり辛いものがあるな。 どうする?

 とりあえず1回ホールに戻るか?」





手塚がそう言ったその時、





「ちょっと待て。 少し興味深い物を見つけた。」





乾がそう言った。 その言葉で、3人は彼の元へと集まってきた。





「これを見てくれ。」





そう言って乾が差し出したには、1冊の本だった。

いや、本というよりもそれは・・・。





「・・・日記?」





それはどうやら古びた日記のようだった。





「ああ、誰のものかは知らないがどうやらそうらしい。

 悪いとは思うが中を見させてもらおう。」





そう言って乾はページを開いた。



                                        ★



その頃、食堂の奥の扉から出た真田達は廊下へと出ていた。

廊下は左右に分かれていて、自分達が出てきた扉の左斜め前には、また違う扉があった。





「分かれ道か。 どうする? 弦一郎。」





そう柳が真田に話を振った。





「とりあえず近いのか片付けるか。 だからまずこの扉を・・・ん?」





近いのから片付けようと言って扉の手をかけた真田だが、その手はすぐに止まった。





「どうした?」





「いや、鍵がかかっている。 開かない。」





「そうですか。 鍵がかかっているのではしょうがないですね。

 では、左右の廊下を調べましょうか。」





「しょじゃな。 じゃ、真田と参謀は、右側のほうをのぞいてくれ。

 俺達は左側のぞくから。」





そう言って4人は2人ずつに別れ、それぞれのぞいた。

するとそこには・・・。





「・・・階段があるな。」





真田と柳が見た先には、古びた階段があった。

だが、2人のいる場所からでは、暗くてそれ以上奥を見ることは出来なかった。





「奥は暗くて見えないか・・・。 仁王、柳生、そっちはどうだ?」





柳はそう声をかけた。 だが、答えは返ってこない。

2人は、柳達に背を向けたまま固まっていた。





「2人共、どうした?」





その様子を怪しいと思った柳達は近寄って行った。





「あ・・・あれを見てください・・・。」





柳生がそう言って先を指差す。

それに促され、2人は角からひょいと顔を出した。 すると・・・。





「「!!」」





2人が見た先にあったもの。

それは、人間のものと思われる何本かの骨と・・・赤黒く染まったカーペットだった・・・。





「こっ、これは・・・?!」





さすがに動揺を隠し切れない2人。

だが、それでも柳がそこを調べるために足を前に出した。





「柳?!」





「大丈夫だ。 何かが潜んでいる気配はない。」





そう言って柳はカーペットの傍にしゃがみこんだ。





「これは・・・血・・・のようだな。 だが、最近のものではないだろう。

 完全に乾いているし、この上に埃が積もっている。 それも、結構厚くだ。

 これから考えるに、この血が染みたのはきっと何年も前だろう。」





柳のその言葉に少し興味を持ったのか、3人は傍によってきた。

ちなみに、この時1番顔が青かったのは真田である。





「・・・確かに、何年も前のっぽいな。 これだけの血だ。

 流した奴はきっと死んでいるな。 ・・・だが、肝心のあるはずの遺体はどこに・・・?」





「もしかしたら・・・この骨の持ち主がここで亡くなられた方ではないでしょうか?」





そう言ったのは柳生。 それに柳が頷いた。





「そう考えるのが妥当だろう。 しかし、なぜこんな状態に?」





「それは分かりません。 しかし、ここの館は本当におかしいです。

 柳君達の見た骨といい、今回のこの場所といい、一体何がどうなっているんだか・・・。」





「それを知るにはまだ情報が少なすぎる。 とりあえずホールに戻ろう。」





真田のその提案に、全員は頷いた。

そして4人は、もとの道をホールに向かって戻り始めた・・・。









【あとがき】

とんでもなく長く放置しててすいませんでした。 かなり久しぶりの更新です。

今回はまだ別行動を取っている人達に話しだったんですが・・・。

書いてて思ったんです。 こいつら度胸あるなーって。

とりあえず柳はうごいことやってますね。 血のこびりついたカーペット調べるなんて。

もしこんな状況に陥ったら私はまず無理ですね。

おばけ屋敷もまったくダメですから。 ・・・ホラー書いてるのにダメって・・・。

次の話は今ちょこちょこ書いてるんで、また気長にお待ちください。



06.1.27



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