この館に隠されているもの。

それは至上の宝か、はたまた闇への入口か・・・。





輝きを失った石  第二章・1





大きなガラス張りのしてある部屋から、左右の扉に分かれて入っていった跡部達。

左のほうから入っていった跡部は他の3人と一緒に1本道の廊下を歩いていた。





「ここの館、一体何なんでしょうね?」





「別荘・・・とかって雰囲気はあまりないよな。

 でも人はいたみたいだな。 当たり前だが。 なんかココ、嫌な感じがするんだよ。」





宍戸はそう言いながら、何かを考えるように頭をポリポリかいた。

皆もそう思っていたらしく、うんうんと頷いた。

と、その時、少し前をふらふらと歩いていたジローが急に立ち止まった。





「おっと。 何だよジロー、急に立ち止まるな。

 何かあったのか?」





跡部にそう尋ねられても、ジローは何も答えずに、暗い廊下の先を見ていた。

そして不意に先を指差し、





「この先に何かある。」





と、言った。





「何だと?」





跡部達はいぶかしげな顔をしたが、そのまま先に進み、角を曲がった。

すると・・・。





「何だこれ?」





角を曲がって少し歩いた時、うす暗い廊下の右側に、1つの大きな扉があった。

しかしその扉は、今まであった木で出来たものではなく、鉄のような物で出来ていた。

それは長い間使われていなかったためであろう、赤黒くサビていた。

他とは違う扉・・・。

それはまるでこの中への侵入を禁じているかのようだった。





「オイ、本当にこの中に入るのか?」





そう言ったのは宍戸。

それを聞いて跡部がからかうように、





「まさかお前怖いんだろ?」





と言った。

それに宍戸は顔を真っ赤にして、叫んだ。





「ばっ、バカヤロー!

 そんなことあるわけないだろ?!」





「・・・さっきから一体何をやってるんです?

 こっちのほうまでよーく聞こえてましたよ。」





そう言いながら歩いてきたのははじめ。

その後ろには他の4人もいた。





「おっ、来たか。 やっぱ俺様の考えは当たっていたな。

 これで廊下がつながっているのは分かった。

 ああ、今のことは忘れてくれ。 ちょっとからかってただけだからな。」





「からかうなっつーの。」





宍戸はぷんむくれ状態。

そんな宍戸をなだめたのは、やはり長太郎だった。





「まあ、いいでしょう。

 ところでこの扉ですが、先にあるのはさっき見た草の生い茂っている空間だと思いますよ。」





「俺もそうだと思う。 でも、1つ聞いていい?

 これ、開くの? サビついてるうえに鍵までついてるケド・・・。」





佐伯のその言葉に全員はっとした。

どうやらそのことは全員何も考えていなかったようだ。

あのはじめや跡部も。 珍しい。

これに皆は悩んだ。

しかし黒羽が、





「悩む前に1回蹴ったりしてみたらどうだ?

 以外にあっさり開くかもよ。」





と、言ったことで、皆はそれをやることに決めた。

そして、今までいたのに出番のなかった天根と樹がやることになった。





「やっとやることができたのね。」





樹がそう言うと、天根もうんうんと頷いた。 そして・・・。





「「せーのっ!」」





掛け声と共に2人が思いっきり蹴飛ばすと、ベキッという音がして鍵がくだけた。

そして、扉がぎぎぎという軋んだ音を立てながら、ゆっくりと開いていった。





「なんか、以外に簡単に開きましたね。」





「まあ、いいんじゃないっすか? 苦労するより楽なほうが。」





「・・・そうですね。」





どうやらはじめにとっては予想外だったようだ。





「いっちゃん、それにダビデも。 お疲れ様。」





「・・・少ない出番だったのね。」





「そうだね・・・。」





樹の言葉に、佐伯はそう返すしかなかった・・・。








【あとがき】

大変遅くなりました。 第二章、始まりました。

書いてて思ったんですが、ダビデ書けない・・・。

ダジャレなんて思いつかないーーーー!!!!

なので、彼のセリフはなしです。 ごめんなさい・・・。

気付いたらこの場所にいる人数がとんでもないことになってる・・・。

なので、これからちょっとずつ削っていこうかなと。

もしかしたらドバッっと減るかもしれませんが・・・。



05.8.21




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