こいつは一体何なんだ?!





輝きを失った石  第二章・3





・・・祐太達が必死に走っていた時、跡部達はすでに中に入っていた。

そして、草を掻き分けながら中を調べていた。





「くっそ。 何で俺様がこんなことやんなきゃいけねーんだ?」





「そうぶつぶつ言わないでくださいよ。 何かあるかもしれないんですから。」





・・・相変わらず跡部は文句を言っていた。

その頃、佐伯と樹は・・・。





「いっちゃん、何かあった?」





「いや、何にもないよー。 そっちは?」





「こっちも何も見つからない。 ・・・あれ?」





その時、佐伯は草の中で光る何かを見つけた。





「何だろ? これ・ ・・・宝石?」





佐伯が見つけたもの。 それは真紅に輝く石だった。

何で宝石が?と思いながらも、佐伯はそれを手に取った。

そして、その宝石のことを樹に言おうとしたその時!





「うわあああ-----!!!」





突如、天根の叫び声が!!





「ダビデ?! どうした!!」





黒羽が叫ぶ。





「だっ、ダメだバネさん! こっちに来るな!!

 皆! 早く逃げて!! 何かいる!!」





天根のその言葉で、全員は逃げるのではなく、天根の元へ行こうとした。

だが、その時!





「ダメです!!」





突然聞こえてきた声。 それは、ここには本来いるはずのない祐太のものだった。

彼のいきなりの出現に、入口のところにいたはじめ達はかなり驚いていた。





「なっ、何で祐太君がここに?!」





「話はあとです! 皆さん! 早くそこから出て!! そこに何かいます!!」





「でっ、でも、ダビデが!!」





「サエさん! 俺は大丈夫だから! だから早く逃げて!!」





天根のその言葉に、しぶしぶ従う佐伯達。

するとそこに千石が息を切らしながら走ってきた。





「祐太君走るの早すぎ! 皆無事?!」





「千石?! 何でお前まで?!

 まだ全員じゃない。 中にまだ天根がいる!」





跡部がそう言うと、千石はちっと舌打ちして、そのまま草の中に飛び込んだ。





「おい! 千石!!」





跡部も追おうとしたが、他の仲間に止められた。 と、その時!!





ギャンギャンッ





と、いう犬のような声が。 ・・・いや、犬と呼ぶには少し違う声だった。

とにかく、その声が聞こえてすぐに、天根を肩に担いだ千石が現れた。





「早く! 早く扉を閉めて!!」





千石がそう叫ぶと、はじめと祐太が慌てて閉めた。

その瞬間、何かが扉に体当たりする音が! それに慌ててもう数人が扉を押さえた。

そならくすると、相手はあきらめたのか、音はもうしなくなった。 そして、ふう、と息をついたその時!!





「ダビデ!!」





と、叫ぶ佐伯の声。 慌ててそっちのほうを見ると、天根の右足からは真紅の血が流れ続けていた。

その傷は深く、肉が膝から足首までぱっくりと裂けていた。





「たっ、大変です! 早く止血しなくては!!」





そう言うはじめの言葉を、天根は首を振って拒否した。





「この傷よりも、とにかくここから離れたほうがいい。

 あいつは、犬とかそんな生易しいものじゃなかった。」





天根のその言葉に、全員は言葉を失った。

そして、中のものが出てこれないように、壊れた扉の鍵を上手く引っ掛けて、急いでその場から離れた。

・・・中庭の中は、恐ろしいくらいに静まり返っていた・・・。









【あとがき】

とんでもなく遅くなりました。 続きです。

この前のやたら中途半端な状態で止めてからかなり時間が経ってしまいました。

ちょとこれがスランプに陥っちゃってて・・・。

・・・今回は遂にけが人が出ました。

ごめんよダビデ。 いきなりで。

彼の話し方がまったく分かりません。

これでよくはないのでしょうが、許してください。



05.10.11



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