絶対無事に戻ってくるから。

だから、信じて待っててあげよ?





輝きを失った石  第二章・4





祐太と千石と別れた南と東方は、2人のあとを追い、1階のホールに下りてきていた。

そこには何事だ?!と言っている榊と竜崎、そして青ざめた顔をしている岳人と忍足の姿があった。





「先生!!」





「お前達! 一体何があったんだ?!

 今、不二と千石が向こうへ走っていったぞ?!」





「あの2人は、跡部達に危険を知らせに行ったんです。 きっとすぐに皆を連れて戻ってきます。

 それよりも、ここの館は危険です! 何かが潜んでいます!!」





南のその言葉に、榊達の顔が青ざめた。





「・・・なんだと? 一体何がいるというのだ?」





「分かりません。 でも、俺達は跡部達が向かっていった所で何かが動いておるのを見たんです。

 祐太君と千石はそのことを知らせに行ったんです。」





こう言った時、急に忍足が口を開いた。 ・・・その声は震えていた。





「・・・ってことは、跡部、跡部は?! 跡部も危ないっちゅーことやろ?!

 助けに・・・助けに行かな!!」





そう叫び、忍足は走って行こうとした。 その腕を、岳人がつかんだ。





「待って! 待ってよ侑士!!

 跡部言ってたでしょ?! 『絶対戻ってくる。』って。 跡部戻ってくるよ!

 今まで約束破ったことないでしょ? 信じて待っててあげようよ!!」





「向日・・・。」





榊がそう呟く。 岳人の顔は、今にも泣き出しそうだった。





「・・・そうやな。 ごめんな、岳人。 取り乱したりして。

 そうやな、信じて待つわ。 それに、俺が行ってしもたら岳人1人になってまうもんな。」





「ありがと・・・侑士。」





岳人がそう言ったその時!





バンッ





と、音がして、階段左横の扉が開いた。

そして、中から少し前に別れた仲間達が出てきた。

だが、その中に、佐伯と黒羽に支えられ、苦しそうに歩く天根が。

その足からは、血がポタポタと滴っていた。





「!! 一体何があったんだい?!」





竜崎が叫ぶ。




「襲われたんです。 とにかく、早く止血しないと!」





千石がそう言っている間にも、佐伯達は天根を座らせ、止血に取り掛かっていた。

しかし、傷口が広すぎて、血は一向に止まる気配はない。





「このままじゃ出血多量になる。 ・・・縫うしか・・・なさそうだな。」





「!! この状況で縫うですって?! 

 一体どうやって?! 針と糸もないんですよ?!」





「針と糸なら僕が持っています。 しかし・・・。」





そう言ったのははじめだった。 その顔は、青ざめていた。





「しかし、消毒する方法がありません。 もしも、雑菌が入ったりしたら・・・。」





「やってください。」





その言葉に、全員はえ?という顔をした。

それを言ったのは、もちろん天根。 その顔は、覚悟を決めた顔だった。





「だっ、ダビデ?! 何を言っているんだ?!」





「大丈夫だよ、サエさん。 だって、これしか手はないじゃない。

 さすがに俺、ここで死ぬのは嫌だからさ。 だから、やって。」





天根のその気持ちを汲み取ったのか、忍足が言った。





「・・・分かった。 俺がやってやる。」





「おっ、忍足?!」





「大丈夫や、俺は医者の息子やで? そんなに多なかいけど、医学の知識はある。

 とっととやるで! 観月! 針と糸を。

 あと、どっかに救急箱あったよな? そこから消毒液と包帯持ってき! 早く!!」





忍足にそう言われ、皆は動いて言われた物を持ってきた。





「天根、ちょっと待っとってな。」





そう言って忍足はまず、持っていた水で手を洗い、針と傷口に消毒をかけた。

するとその時、榊が、





「天ね、これを口の中に入れておけ。 そうすれば、舌を噛まずに済む。」





と、言ってタオルを差し出した。 天根はそれを受け取り、口の中に入れた。





「麻酔はないさかい、かなりの激痛がはしる。それでもいいな?」





忍足にそう問われると、天根は頷いた。





「分かった。 ・・・やるで。」





忍足は、針を握った・・・。









【あとがき】

言い訳。 すいません。 

おっしーは医学の知識があるって書きましたが、私にありません。

勉強すりゃあよかったんですが、そんな気力なくて・・・。

何で、今回書いたのは、完全に適当です。

絶対に間違ってます。 ごめんなさいいい〜。



05.10.15



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