これしきの相手、所詮俺の敵ではない。

さあ、やられる覚悟のある奴からかかってこい!





Symohony oh destiny  第一章・8





手塚が前に出てきたことによって、場の空気はガラッと変わった。

そこには緊迫した空気が流れ、桃城と日吉の2人はゴクッと息を呑んだ。





(初めて見る。 手塚さんの戦うところ。)





(3強と言われるくらい強いんだからな。

 その人の戦いを生で見れるなんて。 しっかり見ておかなくちゃな。)





2人はそう思いながら、被害を受けないために後ろへと下がった。

それとは反対に手塚は前へと足を進めた。

その威圧感に押されたのか、魔物はじりじりと後ろへ下がっていった。





「・・・どうした。 俺を恐れるのか?」





その言葉に魔物は後ろへ下がるのを止めた。

どうやら手塚の言葉にカチンときたらしい。

そして、何の前触れもなく、いきなり襲ってきた。





「「危ない!!」」





桃城と日吉は同時にそう叫んだ。

だが、当の本人は冷静で、ひらりと軽やかに攻撃をかわした。

そして、抜き放っていた剣を振るった。





「・・・ほう、以外に頑丈だな。」





手塚は攻撃をしたあと魔物と少し距離を置き、そう呟いた。

彼がそう言ったように、魔物はあまり傷を負っていなかった。

そうやら、その体に生えている体毛がかなり頑丈らしい。





「普通に切っても切れぬなら、方法を変えるか。」





そう呟くと、手塚の目が鋭く光った。





「・・・あそこなら攻撃が届きそうだな。」





また呟くと、彼は剣を地面に突き立てた。

その様子に、ギャラリーの2人は首をかしげた。





((一体手塚さんは何を始めるんだろう?))





その2人を尻目に、剣を突きたてた手塚は唱えだした。





『大地よ! 我が命に従い、邪悪なるものを打ち砕け!!

 アースランス!!』





手塚がそう唱えると、魔物の下の土が隆起した。

そして、隆起したと思った瞬間、その土が突如槍のようになり、魔物のちょうど腹にあたる部分に突き刺さった。





「ふん。 思った通りだな。 やはり腹部が弱点か。」





手塚はそう呟いた。

一方魔物はまだ生きていた。 魔物は腹からおびただしい血を流しながらも、再び手塚に攻撃をしようとしていた。





「ほう、その傷でまだ戦おうとするか。 その闘争心だけは認めてやる。

 だが、あきらめというものを知ったほうがいいな!!」





そう言うと手塚は、一瞬で魔物の腹のところにもぐりこみ、思い切り剣を振るった。





ぎゃあああああ!!!





断末魔の叫び声を上げ、魔物は遂に息耐えた。

戦い終えた手塚は、ふうと息をはいた。





「見事な戦いでした。 お疲れ様です。」





「いやあ、ホント凄かったですよ。 あんな戦い初めて見ました。」





そう言いながら、いままで見物していた桃城と日吉は手塚のところによってきた。

すると手塚は、





「あれほどの敵はくさるほどいる。 それに、俺はそれほど大したことはしていない。

 ただ、普通に倒しただけだ。 今ので少しは勉強になっただろう?

 お前達も早くあれくらいのを倒せるように精進しろ。」





と、言った。





「相変わらず厳しいですね。 ですが、きちんと参考にさせていただきますよ。

 いずれあなたも抜かせていただきます。 下克上ですよ。」





(・・・おい、日吉。 そんなことを手塚さんに言っていいのか?

 少しは場を考えろよ。)





桃城は内心ひやひやだった。それはそうだろう。 

なんせ今話している相手はあの3強の1人なのだ。 もう少し部をわきまえたほうがいいと思うのは当然だ。

だが、当の本人の手塚は・・・。





「ふっ。 お前が俺を抜くのはまだかなり先だとは思うが、その時を楽しみにしているぞ。」





と、言ったのだ。 これに桃城はびっくり。





(あれえ〜。 手塚さんてこんなキャラだったっけ?)





と、1人心の中で考えていた。

2人がそんな会話をしてい時、ふいに目の前の空間が揺らいだ。

なにかと思って見ると、そこから人が出てきた。





「マスター。 ただ今戻りました。」





そう言いながら現れたのは、さっき別れて魔物と戦っていたリョーマだった。





「ごくろうだった。 それにしても時間がかかったな。

 お前にしては珍しい。」





「いや、魔物の数があまりにも多すぎて。

 ちょと倒すのに時間がかかったんすよ。」





ちょっとむすっとした感じでリョーマは言った。

それに桃城が、





「へえ、天下の3強でもそんなことがあるんだな。」





と言った。 それにリョーマは、





「・・・。 ひどいこと言いますね。

 手合わせの相手ならいつでもしますよ。 ギタギタにしてあげますから。」





「・・・お前口悪いな。」





と、言った。 桃城は、そのアーティシャルらしからぬ発言に唖然としていた・・・。









【あとがき】

今回の話は手塚のバトルでした。

いやあ、この話前から書きたかったんですよ。 やっと書けた・・・。

次もまたこの2人の話かな。

早く別の人も出せるようにがんばろ。


  05.4.28




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