ここは本当に綺麗なところだなあ。
ここにいると気分もよくて、落ち着く。
Symphony of desyiny 第二章・1
柳沢から次の任務の内容を知らされた2人は、すぐにシュールを出て水の都、リンドブルーへ向かった。
「やったあ。 仕事だけどリンドブルーに行けるぞおー。」
千石はそう言って喜んでいた。
その姿を見て、跡部が彼に質問をしてきた。
「おい、一体そこはどんなところなんだ?
そんなにいいのか? そこは。」
「うん、すっごくいい町だって話だよ。 水の都っていわれる通り、本当に水の多い所なんだって。
聞いたところによると、町のいたるところに水が流れているらしいよ。
そんな町だから、暑い時には少し遠いところからも人が涼みに来るんだってさ。」
「ほう。 結構いいとこらしいな。
だが、お前。 遊びに行くんじゃなくて仕事に行くんじゃないのか?」
跡部がそうつっこむと、千石は乾いた笑いをした。
「はっはっはっは。 遊びも仕事のうちさ。
まあ、ちょこちょこーっと調べればいいんじゃない? あとは適当に報告しれば万事OKさ!」
「・・・いいのか? そんなんで。」
千石のその発言を聞いて、跡部はそう呟いた。
☆
リンドブルーに着くと2人はまず、その町の美しさに目を奪われた。
千石が聞いていた通り、町のいたる所には水が流れ、涼しげな空気を漂わせていた。
「うわあ。 本当にすごく綺麗な所だねえ。」
「ああ。 本当に綺麗だ。」
千石がそう感嘆の声を漏らすと、跡部も頷いた。
そして、その綺麗さに感動した千石が仕事をほっぽりだして遊びにはしろうとした時、
ぐうう〜〜〜〜
と、千石のお腹が盛大になった。
それに跡部は白い目を向けた。
「ったく、何でこんなとこで鳴るんだよ。
しかも、そんな大きな音で。 こっちが恥かくじゃねえか。」
「あはは〜。 ごめんごめん。
んにしてもお腹空いたなあ。 遊ぶ前に何か食べようか。
ほら、こういうじゃない。 腹が減っては戦はできぬって。」
千石はそう言いながら、とっとと先へ歩いて行ってしまった。
(・・・おかしい。 こいつこんなキャラだったか?
この前会った時となんか違うような・・・?)
跡部はそう思っていた。
☆
町の入口から程近い所に、一件のレストランがあった。
2人は、というか千石はかなりお腹が減っていたので、おいしそうな匂いにつられるまま、その店へと入っていった。
「くう〜。 やっとご飯にありつける!」
「ったく、なんでこの俺様がこんな振り回されなきゃならねーんだ?」
2人がそう話していると・・・。
「あれっ。 その声は千石じゃんか。」
「ホントだ。 何でこの人がここにいるんだよ。
ってか、仕事してるの?」
そう言いながら声をかけてきたのは・・・。
「菊丸! それに信司じゃん!!」
そこにいたのは、討伐隊の菊丸英二と伊武信司であった。
「2人ともなんでここにいるの?
ってか、こんなトコで会えるなんて、俺ってラッキー?」
「千石もなんでここにいるのさ? 仕事?
俺達は、スミレちゃんからちょっと休暇を貰ってね。
ここに静養しに来たんだにゃ。」
「そうそう。 ホント久しぶりの休みでね。
ってか、もうちょい休み頂戴って話なんだけどね。
働き詰めって疲れるんだよ?」
3人はこんな会話をしながら、久しぶりの再会を喜んでいた。
そして、またもや忘れられてる人が・・・。
「・・・てめえら、この俺様を差し置いていい度胸じゃねえか。」
そのセリフに3人は跡部のことを忘れていることに気づいた。
「ごめんごめん。 すっかり忘れてたよ。」
「ったく。 なんでこうも最近忘れられることが多いんだ?」
千石が跡部に謝っていると、菊丸達は、好奇心の目で跡部を見た。
「えっ? 彼、アーティシャルじゃん。
千石、遂に自分のパートナー見つかったの?」
「いや、違う違う。 これにはちょっと事情があってね・・・。」
そう言って千石は、事情を説明しだした・・・。
【あとがき】
なんとか始まりました。 第二章。
今回からは、遂に主人公跡部の出番が増えます。
他の人の影は薄くなると思いますが、どうぞこれからもお付き合いください。
05.5.16
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