何て強い力なんだ!

でも、ここでやられるわけにはいかないんだ!!





Symphony of destiny  第二章・5





竜の放った攻撃が4人をかすめ、水の流れている壁にあたった。

壁はその衝撃でかなりえぐれた。





「何て威力なんだよ!

 あんなの一発でもくらったらお終いじゃないか!!」





千石が攻撃をかわしながら叫んだ。





「だったらくらわないようにすればいいだろ!

 んにしてもホントすごい威力だよ。 このまま逃げててもらちが明かない。

 いい加減反撃するよっ!!」





伊武がそう言うと、全員は軽く頷いた。

そして、それを合図に伊武が唱えた。





「かの者の動きを封じよ!! グラビティ!!」





彼がそう唱えた瞬間、黒っぽい色をした半透明の膜が竜を包み込んだ。

その瞬間!





『ぐわあああ!!』





竜にものすごい圧力がかかった。

伊武の能力は重力。 その名の通り、この世界に存在する重力を操る力を持つ。

その力は強力で、今の一撃で竜の動きを封じた。





「みんな今だ!!」





そう彼が言うと・・・。





「風よ! 我が前に存在する敵を切り刻め!! クライクル!!」





「雷よ! 眼前に存在する悪しき物を打ち砕け!! ライトニング!!」





千石と菊丸の唱えた技が竜を直撃した。

そこにさらに跡部が切り込み、竜に傷を与えることに成功した。





「やったあ! あの竜に傷を与えたぞ!」





「調子に乗るのはまだ早いよ。 でも、あの竜にダメージを与えることが出来たんだ。

 このままいけば倒せるよ。」





そう喜ぶ4人を前に、竜はもがき苦しみながらも、竜は言った。





『お、おのれ人間共め。 この私に傷をつけるとは。

 ただの人間と侮っていたわ。 しかし、私を殺すことなど不可能だ!!』





そう言って竜は再び4人に攻撃を放った。

しかし、その体からは絶えず血が流れ続け、この竜の命がもはや少ないことを物語っているようだった。





「しぶとい奴だにゃー。 

 そろそろこっちもキツいんだけど。」





「そんなこと言わないでとっととやって!」





千石がそうへばる菊丸のほうを向いて言ったその時!





「千石! 危ないっ!!」





伊武が叫んだ。





「え?」





彼の目の前に竜の放った攻撃が迫っていた。

千石がもうダメだ!と思ったその時!!





「どけっ!!」





そう言い、彼の前に躍り出たのはあろうことか跡部だった。

跡部は躍り出るのと同時に、右手を前に突き出した。

その瞬間、その前に黒い穴が出現し、竜の放った攻撃はその中に吸い込まれた。





『何だと?!』





竜がそれに驚愕したその時、伊武と菊丸が同時に攻撃を放った。





『ぎゃあああああ!!!!!』





それをまともに喰らった竜は、その場にどうっと崩れ落ちた。





「やった! 竜を倒した!!」





喜ぶ菊丸。 だが・・・。





『お・・・おのれえ。 人間共め・・・。

 このまま死んでなるものか。 オーブは貴様らには渡さん!!』





全身血にまみれ、息も絶え絶えな竜。

しかし、最後の力を振り絞り、その尾を振り上げた。

その先には・・・。





「しまった!!」





その先にあったのは水のオーブだった。

いつの間にか水面に浮かんでいたそれを、竜の尾は砕いた。

砕かれたオーブは3つに別れ、そのうち2つはその場から消え去った。





『ふ、ふはははは! 残念だったな人間共よ!

 しかし・・・このままでは・・・この世界は滅びる・・・。

 あの・・・方達に・・・知らせ・・・な・・・けれ・・・ば・・・』





最後にオーブを砕き、今度こそ本当に力尽きた竜は、高笑いと謎の言葉を残し、息絶えた。

そして、その場には、呆然と立ち尽す4人と、竜の死骸が残された・・・。









【あとがき】

久しぶりに更新いたしました。

第二章・5。

しばらく書いてなかったので、話をよく覚えてないという状況です。

なんとかつながっていると思いすが・・・。

そしていきなりですが、二章は次で終了予定です。

今度はもっと早く書きます。



05.8.5




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