俺がいない間に一体何があったんだろう?

知っているのだろうか? あの人のことを・・・。






Symphony of destiny  第三章・2





忍足と別れて城へと向かった長太郎。

その入口には数人の兵士がいた。





「おい、お前止まれ。 ここがどこだか分かっているのか?

 ここは一般人立ち入り禁止だ。」





兵士がそう言うと、長太郎は自分の首にある模様を見せた。





「僕はアーティシャルです。 榊様にご報告が・・・。」





「長太郎じゃないか! 今まで何をしてたんだ?!」





突然そう声をかけられた。 掛けたのは、討伐隊を取り仕切っている竜崎の片腕の大石。

彼は小走りで彼のほうへ来た。





「大石様、お知り合いですか?」





「ああ、知り合いだ。 ここを通してやれ。」





「はっ!」





兵士はそう言って敬礼をすると、長太郎を通してくれた。

そして、長太郎は大石について中へと入っていった。





「さっきはありがとうございました。 おかげで助かりました。」





長太郎はそう言って大石に軽く頭を下げた。





「いや、礼を言われるほどのことはしてないよ。

 それにしても・・・5年ぶりか。 最後に会ったのは。

 今まで一体何をしていたんだ? ずっと心配してたんだぞ。

 乾に探してもらっても手がかりひとつないし。 ・・・ところで、あいつはどうした?

 いつも一緒だったじゃないか。」





大石は歩く足を止め、そう言った。

その問いに、長太郎は顔を少し下に向け、答えた。





「5年前に、俺はマスターとの契約を切られました。

 そして、とある森の湖に封印されていたんです。

 理由は分かりません。 マスターは最後に俺の記憶をそこの部分だけ消していったんです。

 でも、少し前ある人が来て、封印を解いてくれました。

 今は、その人が俺のマスターです。

 その人は王都の関係者じゃないので、名前などは俺の口からは言えませんが。」





そう話終わると、大石は、ふう、と息をはいた。





「そうか、そんなことがあったのか。 とにかく無事でいてくれてよかったよ。

 でも、あいつがそんなことをするとは・・・。

 信じられない。 お前を本当に大事にしていた奴だったのに・・・。」





「ええ。 マスターには本当によくしてもらいました。

 理由は知りたいと思っています。

 でも、俺にはもう新しいマスターがいますから。」





「ああ、そうだな。 俺に出来ることがあったら言ってくれよ。

 手伝うから。」





「ありがとうございます。」





長太郎は思った。 ああ、この人はまったく変わっていない、いい人だと。

大石はいい人で有名だった。 階級などを気にせず、かまってくれる人だと。

彼は、討伐対の最高責任者、竜崎スミレの片腕として、王都内でも結構な地位を持っていた。

高い地位を持つ者は、欲も深くなる。

しかし、彼はただただ、人のために尽くしていた。





「ところで長太郎、今日は何でここに来たんだい?」





「ああ、今日は榊様にご報告に来たんです。

 新しいマスターのこととかを。 それで、大石さんにお願いがあるんですけど、榊様にあわせていただけませんか?」





そうおずおずと尋ねると・・・。





「別にいいよ。 スミレ様に頼めば、すぐに会わせてもらえるよ。

 最近は少し大きな仕事が片付いて落ち着いているからね。」





「すいません。 よろしくお願いします。」





そう言って、長太郎は頭お軽く下げた。



                                         ☆



それから30分後、長太郎は榊のいる部屋の前に来ていた。

あれからすぐ、大石が竜崎に掛け合ってくれて、許可がでた。

そして、長太郎は大石といったん別れ、ここに来たのだった。





(この先に榊様が・・・。 うまくマスターのこと、かわせるといいな。)





そう思いながら、長太郎は扉をノックした。





「入れ。」





「失礼いたします。」





長太郎は、部屋へと足を踏み入れた・・・。









【あとがき】

結構あいてしまいましたが、やっと続きです。

今回は大石が結構出張ってましたね。

本当は大石が出てくる予定はまったくなかったんですけど・・・。

まあ、結果オーライってことで。(えっ!)

皆さんはわかりましたか? チョタの前のマスター。

なんせ文章を書くのがあんまりうまくないんで、隠すのが大変です。

名前出したくてしょうがないです。

彼は、まだ先ですが、出てきますんで楽しみに待っていてくださるとうれしいです。



05.9.11



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