古代の遺跡。
そこには古の時代から何かがあるという。
さて、ここには一体何があるというのだろうか・・・?
Symphony of destiny 第三章・5
滝からアレクキサールという遺跡に何かあるらしいという情報を聞いた千石と跡部は、早速そこに向かっていた。
情報屋のあるクーヘルから、千石の持つ時の欠片を使い、一気にその遺跡のある森へと飛んだ。
しかし、オーブの力では奥に入れないらしく、森の入口に出てしまった。
「あー、この先は時の力じゃ入れないらしいね。」
「何? どこにでも行けるんじゃないのかよ?」
跡部はかなり不満そう。
その跡部をなだめるように、千石は言った。
「時の力も万能じゃないんだよ。 行けない所って結構多いんだ。
特に森の中とかね。 森には何か特別な力が働いていることが多いみたいなんだ。
現に僕達が初めて会ったエシャの森。 あの中でも使えなかったんだ。
でももしも使えたら僕達は会ってなかっただろうね。
これって偶然っていうか、運命みたいだよね。」
「運命か・・・。 そうかもしれないな。」
跡部はそう言って黙った。
運命。
それは、物事の成り行きや人の身を支配し、人の意思で変えることも予測することも出来ない力のこと。
そんなものが本当に存在するのかは定かではないが、少なくともあるのだと思うことは多い。
この2人の出会いは本当に運命なのか?
それともただの偶然か。
それを知る者はいない。
歯車は絶えることなく回り続ける。 誰も知らぬ所で、ただただ回り続ける・・・。
☆
森の入口から、2人は中へと足を踏み入れた。
その中は、木がうっそうと生い茂っていたが不思議と日の光だけは届いていた。
比較的明るい中を、2人は進む。
だが、このまま進めるかと思われたその時、
「・・・跡部君気付いてる?」
「ああ、分かってる。 回りにうじゃうじゃいるな。」
「くれぐれもはぐれないようにね?」
「それはこっちのセリフだ。 お前こそ勝手にはぐれてやられてるんじゃねーぞ。」
「大丈夫。 それはないから。 じゃ、行くよ!!」
千石のその言葉で、2人は一斉に腰の剣を抜いた。
その瞬間、待っていたかのように木や草の陰から魔物が飛び出してきた。
「今回のは結構歯ごたえがありそうだな。
最近腕がなまっていたから丁度いい運動になる!!」
そう呟いて、跡部は剣を振るった。
その切っ先は数匹の魔物の体を捕らえ、切り裂いた。
敵を切り裂いた瞬間、また別の魔物が飛び掛ってきた。
それを、少しかがんでかわし、今度は下段から剣を振るう。
剣を振るうたび、魔物は切り裂かれ、地に伏していった。
一方千石のほうも、順調に戦っていた。
「う〜ん。 今回もまた結構多いなあ。
少ないんなら少しは楽なんだけど。」
そうぶつぶつ言いながらも、彼は剣を振るう。
と、その時、タイミングを合わせたかのように四方八方から魔物が飛び掛ってきた。
その魔物の爪が、千石の体に触れようとしたその時!!
『風よ! 吹き荒れ我を守れ!!
トルネード!!』
千石がそう唱えた。
その瞬間、彼の周りに風の渦が発生し、強い風が彼の周りを覆った。
千石に飛びかかろうとしていた魔物達は、その風に触れた瞬間、切り刻まれ塵となって消えた。
千石の繰り出した技と、跡部の強さに恐れをなしたのか、残っていた魔物達は散り散りになって逃げていった。
「ふう。 なかなか多かったけど、そんなに強くはなかったね。」
剣を鞘に収めながら、千石は跡部に言った。
跡部は、剣に付いた魔物の血をぶんと降って落としながら答えた。
「ああ、そんなにな。 数が多いだけでそこまで強くはなかった。
とんだ検討違いだったな。」
「ねえ〜。 さて、と!
こんな所であんまりゆっくりしてると日が暮れちゃうから、さっさと先に進もうか!」
「ああ、そうするか。」
そう言って2人はまた歩き出した・・・。
【あとがき】
休止中の執筆第2弾です。
今回は再び視点が跡部達になりました。
本当は跡部が主人公のつもりで書き始めたんですけど、最近はなんか違うように見えてしょうがありません。
そして今回からまた場面が変わります。
次は古代の遺跡へ。
この話は次へ行くためのつなぎといて書いてます。
でも、いくらなんでも遺跡ってのはちょっと苦しかったか・・・。
ここはかなりの思いつきで書いているので、変な部分が多大に発見されそうでかなり怖いです・・・。
05.11.25
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