伝えたはいいけど、大丈夫なのかな?
まあ、あいつらならいいか。 でも、気になるな、あのこと-----。
Sympnony of destiny 第三章・10
雷のオーブを入手した跡部と千石の2人は遺跡を出て、少し暗くなった森の中を歩いていた。
そして、完全に暗くなる前になんとか森を抜けることが出来た。
「やったあ! なんとか森を抜けれたよ〜。」
「だが、なかなかやばかったな。」
そう2人が言葉を交わしたその時!
「「誰だ?!」」
いきなり2人は森の中に向かってそう怒鳴った。 すると・・・。
「あちゃあ、見つかっちゃったか。
にしても2人共よくこんなに早く分かったね。 これでも、気配は消してたんだよ?」
そう言いながら木の上からスタンと降りてきたのは赤いおかっぱの頭をした人物。
その身長は跡部達に比べると低く、身に纏う雰囲気は少年のようだった。
「何だあ〜。 岳人君じゃない。 驚かせないでよ。」
そう言ったのは千石だった。 どうやら彼とは知り合いのようだ。
「あんま驚かせるつもりはなかったんだけどな。 おっと、そちの名前は跡部だったよな。
俺は『向日岳人』。 情報屋の1人だ。 よろしくな。」
おかっぱの人物はそう名乗った。
跡部は呼び捨てで呼ばれたことがかなり不服そうだったが、ここで何か言っても時間の無駄と思い、何も言わなかった。
「ところで岳人君、わざわざこんな所までどうしたの?」
「滝に頼まれたんだよ。 お前らに情報を届ける約束をしたから行ってくれって。
で、あと遺跡のことも聞いてきてくれって頼まれたんだけど。」
「ありがと。 まさかホントに来てくれるなんて。
じゃあ、先に遺跡のことを。 あそこには本当にオーブがあったよ。 属性は雷。
俺達よりも先に2人来ていたけど入手することは出来た。 これくらいでいい?」
「まあ、いいだろ。 オーブが見つかったのはよかったな。 んじゃ、こっちも教えてやるよ。
・・・ここから東に数十キロ行った先に『風の谷』と呼ばれる場所があるんだ。
そこの名は『シルフィード』。 どうやらそこにもオーブがあるって話だ。
とりあえず俺達が知っているのはそこまでだ。 あそこにも行ったことはないからな。
最近忙しくてな、すべてのことに手が回らないんだよ。」
岳人はそう言って溜め息をついた。 どうやら本当に忙しいようだ。
顔に疲れの色が伺えた。
「そんなに忙しいのにわざわざありがとね。」
「いいさ、気にするな。 お前とはかなり長い付き合いだからな。
てか、お前じゃなかったらこんなことしないって。」
そう言って岳人はにかっと笑った。
「さて、俺はもう行くぜ。 調べなきゃいけないことが山ほどあるからな。
あっ、シルフィードのことも今度機会があったら教えてくれよな。」
「うん、分かった。 そっちもがんばってね。」
「ああ。 じゃあ、またな。」
そう言うと、岳人はたちまち姿を消した。
彼が消えてすぐ、千石と跡部はその場所を去っていった・・・。
☆
「・・・どうやら、雷は王都の手に渡ったようですね。」
闇の中からそう声が響く。
「いや、でもまだ完全に渡ったわけじゃないよ。
まだ、あいつらが持ってる。」
「しかし、このままずっと彼らが持っているわけではないでしょう。
もうすぐ命令が来るはずです。 彼は用心深いですから。 きっと我々のことを警戒しています。」
「まあ、まだ正体はばれてないけどね。」
「でも、あなたのお陰でばれそうになったことはありますけどね。 もっと慎重に行動してください。
さて、と。 とりあえず雷のことは本当に諦めましょう。 あれ1個取られても、まだこちらに分はあります。
『彼ら』もいますしね。」
「そこまで頼られてるとなるとこっちも頑張らなきゃね。」
「よろしく頼みますよ。 あなた達は、こちらにとってもかなりの戦力になりますから。」
「分かってる。 ・・・これからどう動くの?」
「とりあえず様子を見ます。 あと、確認しておきたいことがあるので、私はまたしばらくここを離れます。
あなた達はどうします?」
「俺達はまだここにいるよ。 時期を見計らって動く。」
「分かりました。 じゃあ、そのように。」
その言葉を最後に、闇からはもう何も聞こえなかった・・・。
第三章、完結
【あとがき】
えー、あと少しといいながらいきなり終わってしまいました第三章。
いきなり終わった理由は、ここで場面が変わるので。
それに、10話超えたくなかったんで(なんつー勝手な理由だ。)
そうそう、遂にがっくんが出てきましたね。
あと、何やら怪しい人達も。
早くこの人達が出てこれるように頑張ります。
05.12.16
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