一体何が起こっているというのだろう？

俺が知らない所で何かが起こっている・・・。





Symphony of destiny　　第四章・２





王都を出た忍足と長太郎の２人は、景に乗りクーヘルへと向かった。

クーヘルに着くと、２人は景を降り長太郎の案内で町の中を進んだ。

そして、情報屋の前に着いて中に入ろうとしたその時・・・。





ガチャ





いきなりドアが開いた。

そのことに２人は驚いたが、長太郎は出てきた人物を見てさらに驚いた。





「真田さん！　それに赤也君も！」





「おお、鳳じゃないか！　久しいな。　５年も行方不明になっていると聞いて心配していたんだぞ。」





「ホントどこに行ってたんだよ！　俺だって心配してたんだぞ！！」





現れたのは３強と呼ばれる騎士の１人真田弦一郎と、そのパートナーの切原赤也だった。

この世界には３強と呼ばれる騎士達がいる。

その全員がとてつもなく強大な力を有し、魔物達を倒していた。

３強のパートナーであるアーティシャルも、同じく３強と呼ばれている。

それは、そのアーティシャルも騎士同様すさまじい力を有しているからだ。





「・・・ところで、その人がお前の新しい主か？」





真田がそう言った。

彼がそう言うと、長太郎は軽く頷き忍足はあいさつをした。





「どうも、はじめまして。　俺が長太郎の新しい主の忍足侑士や。　よろしくな。」





そう言って忍足は真田に右手を差し出した。　それを握り返し真田も言った。





「こっちこそよろしく頼む。　俺は真田弦一郎だ。　

　こっちが俺のパートナーの切原赤也。」





「切原赤也っす。　どうぞよろしく。」





そう言って３人はあいさつをした。





「・・・ところで真田さん、どうしてここに？

　あなたはいつもここに来ないで自力で情報を集めていましたよね？」





「ああ、ちょっと大変なことが起こったんでな。

　・・・お前達になら話してもよさそうだ。　いや、話しておいたほうがいいだろう。

　今からちょっといいか？」





「別にいいで。　そんなに急ぎでもないしな。」





「じゃあ、聞いてくれ。　だが、ここだと場所が悪いな。　移動するか。」





真田がそう言うと、突然赤也が、





「はいはーい！　マスター、俺この町のいい喫茶店知ってますよ。

　あそこならあんま人来ないですから、そこに行きましょうよ。」





と、言った。　それに真田は頷いた。





「分かった。　では、そこに行こう。　赤也、案内してくれ。」





「分かりました！　忍足さん達も着いてきてください！」





そう言って、赤也は歩きだした。

その後を着いていきながら忍足はポツリと長太郎に言った。





「・・・なんか変わったアーティシャルやなあ。　長太郎とはえらい違うわ。」





「アーティシャルにも、人と同じように個性がありますから。

　でも、赤也君はああ見えても３強です。　俺よりかなり強いですよ。」





「ほんま、人は見かけによらんわ。」





忍足は軽く息をはきながら、少し上を向いて空を見た。





『・・・個性か。　俺の個性ってなんやろな？』





忍足はそう考えていた。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　☆



赤也の案内で、３人は町の中に喫茶店に来た。　店に中に入ると、全員は１番奥の席に座った。

そこは、赤也が言った通り人がまりいなく、言っちゃ悪いががらんとしていた。





「さて、と。　真田さん、話しておいたほうがいいことって何なんや？」





「真田でいい。　

　話しておきたいことというのは、俺と同じ３強の１人と呼ばれている騎士、幸村のことだ。」





「え？　幸村さんのことですか？　病気にでもなったんですか？」





長太郎がそう言うと、真田は深い溜め息をついた。

その顔は、本当にまいったという顔だった。





「病気なんかよりももっと深刻なことだ。

　・・・幸村が・・・王都を、我々を裏切った。」





「え？」





真田のその言葉に、長太郎は言葉を失った。

だが、信じたくないと思う長太郎に向けられている真田の目は、真剣だった・・・。









【あとがき】

この前からいきなり視点が変わりました。

そして、まあた新しいキャラが。　こりないな、私も。

んで、幸村がなんか裏切り者のなっちゃってます。　

まあ、この辺のこともゆっくりと書いていきますので待っててください。

・・・たぶん次は千石達のほうに戻るかな。



05.12.26



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